サクラごころ
円照寺境内の桜の満開は昨年より10日も早い4月8日だった。ところで、桜の木の〝やさしい心〟について思いを馳せてみた。桜に限らないと思うが、桜のつぼみは一斉に花開かせるわけでなく、一つ、また一つと花開く。一番早く花を咲かせたつぼみは最後に広げる花を待って満開となり、やがて最初に開いた花から散り始めると言う。けなげで心憎い演出をしてくれる桜の心意気に感動を覚えるではないか。すべては根幹の樹木が、いのちの在りようを私たちに教えてくれているように思えてならない。美しい日本の原風景は、まず桜ありき、と思いたい。心優しい日本人、礼儀正しい日本人のバックボーンには桜の心が反映されているような気がする。桜はまた、数日も経つと、はらはらと散りゆくのだった。そのいのちのはかなさと潔さには感服するだけである。